ミクロ経済学
価格の変化に伴う需要の変化(価格効果)は、相対価格の変化に伴う効用水準を得るための支出を最小化するための需要の変化である代替効果と、購買力の変化に伴う需要の変化である所得効果に分解さることをこれまで書いてきました。代替効果は価格が上昇すると…
これまで、価格の変化に伴う需要の変化を示す価格効果が代替効果と所得効果に分解されると述べた上で、代替効果と所得効果が具体的にどのようなものか書いていきました。下図は、1000円の予算を持つ消費者が、X財とY財の価格がともに10円の時にはX財とY財を…
前回、代替効果について書きました。今日は所得効果について書いていきます。下図は、前回示した代替効果を示す図です。予算が1000円で、X財とY財の価格がともに10円であるときの家計の効用を最大化させる消費量が点Aだったのだけれども、X財の価格が20円に…
前回は、支出最小化問題について書きました。ある一定の効用水準を得るために必要な最小支出は、限界代替率と相対価格の等しいこところで決まります。このことは、財価格が変化すると、支出を最小とする消費の組み合わせも変化することを示しています。代替…
前回、価格の変化に伴う家計の消費需要の変化を示す価格効果は、代替効果と所得効果に分解されると書きました。まずは代替効果についてから説明したいところですが、その前に支出最小化問題について書いていきたいと思います。これまで書いてきたことは、限…
前回、価格の変化に伴う予算制約線のシフトとそれに伴う消費の変化について書きました。下図は、X財の価格がpx-からpx+に上昇するときの消費の変化を示しています。価格の上昇に伴い、消費者の効用最大化点は点Aから点Bに移動しますから、X財の価格の上昇に…
これまでは所得の変化に伴う消費の変化について書いてきましたが、今回からは価格の変化に伴う消費の変化について書いていきます。所得の変化のときと同様に、価格が変化するときにも価格の変化に伴って予算制約線がどのようにシフトするのかを考えていきま…
前回、所得の変化に伴う消費量の変化について書きました。下図が示すように、所得が変化すると予算制約線の位置が変わり、それに伴い予算制約線と無差別曲線との接点である効用最大化点がどこに移るかによってX財とY財の消費量がどのように変化するのかがわ…
所得の変化に伴う消費量の変化について考えていきましょう。所得が変化すると予算制約線の位置が変わっていきます。それを示したものが下図です。所費者の保有する所得Mが変化すると、チョコとスナックで測った実質所得M/pxとM/pyが変化します。その一方…
これまで、消費者が与えられた予算と価格の下で、自らの効用を最大にする消費量をどのように決定するのかについて書いてきました。今回からは、所得(予算)や財の価格が変化した時に消費者の効用を最大にする消費量がどのように変化するのかについて書いてい…
昨日、2財のケースの効用最大化条件は限界代替率と相対価格が等しくなることだと書きました。このような効用最大化条件は、消費者がどのように消費量を調整するかによって効用を最大にするのかという過程を考えることによって理解することができます。そのた…
以前ここで書いたように、下図のように無差別曲線と予算制約線を重ね合わせることによって予算の範囲内で消費者の効用を最大にする消費の組み合わせを求めることができます。上図の点Aが予算範囲内で消費者の効用を最大にする消費の組み合わせを示す効用最…
前回、スナック菓子で表したチョコの価値を示す限界代替率とは無差別曲線上の点を通る接線の傾きの絶対値に等しいだということを書きました。これは、効用曲線の傾きが消費者にとっての財の価値を示す限界効用*1を示していたのを2財のケースに当てはめたもの…
昨日書いたように、財の価値を別の財の何単位と等しいのかと形で消費者の財に対する選好を表したものを限界代替率といいます。この限界代替率を下図の無差別曲線を用いて説明します。最初消費者の保有する財の量が点Aで表されるものとします。点AはU=10の無…
前回、2財の消費に関する効用最大化を無差別曲線と予算制約線を用いて示しましたが、今日からは効用最大化条件について考えていきます。以前書いたように、1財のケースでは、効用最大化条件は限界効用=市場価格であり、市場価格は財を購入するためのコスト…
これまで、予算の範囲内で消費者が購入可能な財の組み合わせを示した予算制約線と消費の組み合わせとそれによって消費者の得る効用水準の組み合わせを示した無差別曲線について書いてきました。この二つの図を重ね合わせることによって予算の範囲内で消費者…
前回、無差別曲線の4つの特徴の内3つについて説明しました。今日は残りの一つの特徴について説明します。3)原点に対して凸(原点に向かって出っ張った形)この特徴は、消費者の消費に対する次のような選好から生じています。b)どちらかの財に偏った消費より…
昨日述べたように、消費の組み合わせとそれによって消費者の得る効用水準の関係を示した無差別曲線の形状には主に次のような特徴を持ちます。1)右下がり 2)原点から遠い無差別曲線ほど効用水準は高い 3)原点に対して凸(原点に向かって出っ張った形) 4…
昨日述べたように、二つの財の消費量とそれによって消費者の得る効用水準との関係を示したものを無差別曲線といいます。これは、下図のように、3次元のグラフである効用曲面の等高線を二つの財の消費量を軸とするグラフで示したものです。上図は効用水準10と…
今日からは、消費者が消費によって得る効用水準を示す無差別曲線について書いていきます。消費者はチョコとスナックの消費量に応じて効用(満足度)を得ます。 このようなチョコとスナックの消費量とそれによって得る効用水準の関係をグラフにすると下図のよう…
昨日述べた予算制約線についてもう少し詳しく解説していく。下図は昨日示した予算制約線である。予算制約線で重要なのは、両軸との交点の値がM/pyとM/pxになることと、傾きがマイナスpx/pyとなることです。M/pyとM/pxについては別の日に書くとして…
今日は、予算の範囲内で消費者が購入することが可能な財の範囲を示す予算制約線について説明していきます。先日出した例題を使って考えていきます。 (例題) 遠足に際し、学校は予算500円以内でお菓子を買うことを許しています。あなたがお菓子を買いにお店に…
予算制約下の効用最大化問題をグラフを使って考えます。昨日例題として提示したチョコレートとスナック菓子の消費量の決定を考えます。求めるのはチョコレートとスナック菓子の消費量ですから、それをグラフによって表現するためには、図1の様に、チョコレー…
今日からは、複数財の消費の選択について書いていきます。これまでの1財のケースでは、消費者は好きなだけ財を購入することができると考えてきましたが、2財以上のケースでは、消費者は手持ちの予算をどの財の購入に振り分けるかということを考えていくこと…
前回、消費者の消費量を決定する(純)効用最大化条件について書きました。 (純)効用最大化条件 限界効用=市場価格 効用最大化条件より、市場価格と消費者の限界効用曲線がわかれば消費者の消費量を導出することができます。図1は、市場価格に応じて消費量が…
昨日導出した限界効用曲線を用いて、3日前の記事で述べた消費者の消費量の決定を考えてみましょう。図1は、昨日の図3で示された限界効用と消費量の関係を示した棒グラフです。 限界効用とは、消費量を1単位増やしたときの効用(満足度)の増加分を示しており、…
昨日、効用曲線には次の二つの特徴があると紹介しました。 特徴1:消費量が増加すると効用は増加する。特徴2:消費量の増加に伴う効用の増加分は、消費量が増加するほど減少する。 特徴1は、どんな財でも消費量が増えれば家計の得る効用は増加するという…
昨日、消費量の決定について書きましたが、経済学ではグラフを使った分析を多用します。そこで、家計の消費行動をグラフを使ってどのように表現するのかを考えていきます。まずは、家計の消費量と効用との関係をグラフで表しましょう。昨日示したように、消…
昨日述べたとおり、消費者(家計)は財を消費をすることによって効用という満足を得ることができ、自らが支払う市場価格に見合う効用を得ることができるかどうかを考えてザ財をどれだけの量消費するのかを決めます。そのことを踏まえたうえで、昨日書いた消費…
今日から、本格的なミクロ経済学の説明を始めます。ミクロ経済学で学ぶことで述べたように、ミクロ経済学は価格に応じて消費者と生産者がどのように消費量と生産量を決めるのかという、各経済主体の行動について学んだ上で、市場経済の効率性について学んで…