家計の行動:2財のケース(9)効用最大消費量の図示

これまで、予算の範囲内で消費者が購入可能な財の組み合わせを示した予算制約線と消費の組み合わせとそれによって消費者の得る効用水準の組み合わせを示した無差別曲線について書いてきました。

この二つの図を重ね合わせることによって予算の範囲内で消費者の効用を最大にする財の組み合わせが導出されます。

重ね合わせたものが下図です。これを見ると、点Aで示される消費の組み合わせは消費者にU=10単位の効用水準を与えます。しかし、点Aは予算制約線の内側にあるため、点Aの消費では消費者は予算を使い切っておらず、スナックかチョコの消費を増やすことによって効用を増加させることができることがわかります。

一方、点Cで示される消費の組み合わせではU=30単位の高い効用水準を得ることができるけど、予算制約線の外側にあるので、高い効用水準を得ることができるにもかかわらず予算が足りないために購入不可能となります。

このように考えると、点Bのように無差別曲線と予算制約線が接する点で消費者の効用が最大になることがわかります。U=20の無差別曲線は予算制約線と接しているため、点Bよりも高い効用水準を与える無差別曲線は予算制約線の外側に必ず位置することになり、予算の範囲内でで購入することができなくなるからです。このため、無差別曲線がぎりぎり予算制約線と接する点Bが予算の範囲内で消費者の効用を最大にする消費の組み合わせであることがわかります。

今日はこの辺で