家計の行動:2財のケース(10)財の価値をどう測る?(2財のケース)

前回、2財の消費に関する効用最大化を無差別曲線と予算制約線を用いて示しましたが、今日からは効用最大化条件について考えていきます。

以前書いたように、1財のケースでは、効用最大化条件は限界効用=市場価格であり、市場価格は財を購入するためのコストを示す一方で、限界効用は財の消費によって得る満足度を表していました。

1財のケースでは、コストや限界効用は金額を用いて表していました。これに対し、2財のケースでは、財の価値は別の財との対比によって表されることになります。

コストについてはすでに予算制約線の説明で述べています。ここで述べたようにチョコのスナックに対する相対価格px/pyは、スナック菓子で測ったチョコの購入費用を表しています。
これはチョコ1単位を購入するための支出額pxとスナック菓子をpx/py単位購入するための支出額がpy×(px/py)=pxとが等しいことから、チョコの購入量を1単位増やそうとするとスナックの購入量をpx/py単位減らさなければならないことを意味しています。
このように、消費者にとっての財のコストを測る際に、価格ではなく、消費を増やそうとするためにあきらめなければならない別の財の量でコストを示す方法があるのです。

これと同じように、消費者にとってのチョコの価値をスナック菓子で表す方法があります。それは(チョコのスナック菓子に対する)限界代替率です。

これはチョコ1単位がスナック菓子何単位分の価値となるかという方法で消費者にとってのチョコの価値を表すものです。

消費者にとってチョコ1単位とスナック菓子3単位の価値が等しければ、限界代替率は3となります。

この値が増えれば増えるほど消費者にとってのチョコの価値は高くなるのです。

次回はこの限界代替率を無差別曲線を用いて図示していきます。

今日はこの辺で