家計の行動:所得・価格の変化と消費(5)価格効果=代替効果+所得効果

前回、価格の変化に伴う予算制約線のシフトとそれに伴う消費の変化について書きました。

下図は、X財の価格がpx-からpx+に上昇するときの消費の変化を示しています。価格の上昇に伴い、消費者の効用最大化点は点Aから点Bに移動しますから、X財の価格の上昇によってX財の消費が増加する一方で、Y財の消費が減少することがわかります。このような価格の変化に伴う消費の変化のことを価格効果といいます。


価格効果は、代替効果と所得効果の二つの効果に分解されます。
代替効果とは、X財とY財の相対価格の変化に伴う消費の変化を示します。これに対し、所得効果とはX財の価格の変化に伴う消費者の実質所得(購買力)の変化がもたらす消費の変化を示しています。

代替効果と所得効果を図示したものが下図です。点Aから点Bへの効用最大化点の変化である価格効果は、点Aから点Cへの変化を示す代替効果と点Cから点Bへの変化を示す所得効果に分解されるのです。

代替効果と所得効果をそれぞれ別々に示したものが図3と図4です。


なぜ、代替効果と所得効果をこのように示すのかについては次回以降で説明します。

今日はこの辺で