家計の行動:2財のケース(1)予算制約下の効用最大化問題

今日からは、複数財の消費の選択について書いていきます。

これまでの1財のケースでは、消費者は好きなだけ財を購入することができると考えてきましたが、2財以上のケースでは、消費者は手持ちの予算をどの財の購入に振り分けるかということを考えていくことになります。

例題として、次のような遠足のお菓子の購入を考えましょう。

(例題) 
 遠足に際し、学校は予算500円以内でお菓子を買うことを許しています。あなたがお菓子を買いにお店に行くと、そのお菓子屋では1個20円のチョコレートと1個10円のスナック菓子が売られていました。このとき、あなたはチョコレートとお菓子を何個ずつ買うでしょうか。

もしも予算が制限されていなければ、あなたは好きなだけチョコレートとスナック菓子を買うことができますが、予算が制限されているためにあなたは予算内で購入できる範囲の中で自分の効用を最大にする消費量を見つけなければなりません。

このように、予算の範囲内で効用を最大にする消費量を求める問題を予算制約下の効用最大化問題といいます。

遠足のお菓子の例に限らず、我々家計は自分の支出することができる予算を考えながら買い物をします。好きな物を好きなだけ買える家計などよほどの金持ちしかいないでしょう。しかも金持ちには金持ちなりの予算制約があるはずです。

例題の予算制約下の効用最大化問題を図示すると下図の様になります。

消費者は予算のうち、どれだけをチョコレートの購入に振り分けるか、スナック菓子の購入に振り分けるかを決めます。予算に制約があるので、チョコレートの購入量を増やそうとするとスナック菓子の購入量は減少することになるし、スナック菓子の購入量を増やそうとするとチョコレートの購入量は減少します。このような状況下で、どの消費の組み合わせが効用を最大化させるのか、明日以降この予算制約下の効用最大化問題について書いていきます。

今日はこの辺で