微分(2)グラフの傾き

微分の話をする前に、グラフの傾きの大きさの話をします。

今、時速10kmと一定の速度で走っている車の走行時間x(時間)と走行距離y(km)との関係を考えます。このとき、y=10xの関係が成立していることがわかります。

これをグラフ化すると下図のようになります。

図1に示されるように、y=10xのグラフでは、xが1単位(時間)増えるごとにyは10単位(km)ずつ増加していきます。

このとき、図内の丸で囲んだ部分のように角度の大きさを示すような曲線を書いた上で10と書くことによって、このグラフの傾きが10であることが示されます。

この10の大きさの傾きとは、xが1単位増加するごとにyが何単位増加するかを示しています。

図2が示すように、この傾きが大きくなるほど、xの1単位の増加に対してyの変化が大きくなることが示されます。

xが増加するとyが減少するとき、傾きは負の値となります。図3が示すように、xが1単位増加するとyが10単位減少するとき、傾きの大きさはマイナス10となります。

図3が示すように、傾きの大きさが大きくなるほどxが増えた時のyの減少の大きさは大きくなります。ただし、ここで注意してほしいことは、傾きの大きさが大きくなるほど、その値はマイナス10→マイナス20→マイナス30と小さくなっていくことです。気をつけましょう。

図4は自動車が一定速度ではなく、時間に応じて加速する時の走行時間と走行距離の関係を示しています。時速がどんどん上がっていくので時間がたつほど1km当たりの走行距離は大きくなっていきます。

このとき、各時点の瞬間における時速はどの時点で測るかによって異なってくるわけですが、これはグラフの接線の傾きの大きさによって示されることになります。

この各時点の瞬間における時速(xの1単位(時間)増加によるyの変化)を計算する方法が微分となります。

今日はこの辺で