家計の行動:2財のケース(8)無差別曲線の形状(2)

前回、無差別曲線の4つの特徴の内3つについて説明しました。

今日は残りの一つの特徴について説明します。

3)原点に対して凸(原点に向かって出っ張った形)

この特徴は、消費者の消費に対する次のような選好から生じています。

b)どちらかの財に偏った消費よりバランスの取れた消費を所費者は好む。

下図を使ってそのことについて説明します。

上図の点Aと点Bは同じ無差別曲線上にあるため、消費者にとっては同じ効用をもたらす消費の組み合わせです。点Aはスナックの消費が9単位、チョコの消費が1単位とスナックに偏った消費であるのに対し、点Bはチョコの消費が9単位、スナックの消費が1単位とチョコに偏った消費となっています。

これに対し、点Cはチョコの消費が5単位、スナックの消費が5単位と点Aと点Bに比べるとチョコとスナックのバランスが取れた消費となっています。この点Aと点Bと点Cを比べた時にバランスの取れた点Cの方が効用水準が高くなるというのが、上に述べたb)の意味となります。

このことから、右下がりでバランスの取れた消費の方が消費者にとって望ましい事を反映した無差別曲線を書こうとすると図のような原点に凸な無差別曲線となるわけです。

逆に、バランスの取れた消費より、どちらか片方の商品に偏った消費の方を消費者が好むとき無差別曲線は下図のようにドーム型(原点に向かって凹)となります。

一般に、ミクロ経済学で消費者の無差別曲線を扱う時は、図1の様な原点に向かって凸な無差別曲線を取り扱います。

今日はこの辺で