家計の行動:1財のケース(3)効用曲線

昨日、消費量の決定について書きましたが、経済学ではグラフを使った分析を多用します。

そこで、家計の消費行動をグラフを使ってどのように表現するのかを考えていきます。

まずは、家計の消費量と効用との関係をグラフで表しましょう。

昨日示したように、消費量と効用との関係が表1のようであったとします。

このような財の消費量とそれによって消費者が得る効用水準の関係を効用関数といいます。財の消費量をx、効用水準をUとすると、効用関数は次のようになります。

効用関数:U=u(x)
次に、表1によって示される消費量と効用の関係を下図のような棒グラフにしてみます。

これを滑らかな曲線にすると次のようになります。

このように、消費量と効用の関係を示した曲線のことを効用曲線といいます。

効用曲線には次の二つの特徴があると仮定されています。

特徴1:消費量が増加すると効用は増加する。

特徴2:消費量の増加に伴う効用の増加分は、消費量が増加するほど減少する。

特徴1の「消費が増えると効用は増加する」というのは、どんな製品でも消費量が増えるほど消費者の満足度は増加する事を意味しています。実際の世界では、ビールを飲みすぎると吐きたくなっていやになるように、消費量が増えすぎるとかえって満足度が減ってしまうような製品もありますが、そういうことは考えないということです。

では、特徴2は何を意味するのか?それは明日取り上げます。