家計の行動:2財のケース(3)予算制約線
今日は、予算の範囲内で消費者が購入することが可能な財の範囲を示す予算制約線について説明していきます。
先日出した例題を使って考えていきます。
(例題)
遠足に際し、学校は予算500円以内でお菓子を買うことを許しています。あなたがお菓子を買いにお店に行くと、そのお菓子屋では1個20円のチョコレートと1個10円のスナック菓子が売られていました。このとき、あなたはチョコレートとお菓子を何個ずつ買うでしょうか。
まずは、500円の予算であなたが購入することが可能なチョコとスナックの量を具体的に考えます。それを示したものが表1です。
表1が示すように、もし予算の500円のすべてをチョコレートの購入に使う場合、チョコレートの消費量は予算500円÷価格20円=25個となります。このときのスナックの消費量はゼロです。
同様に、予算の500円のすべてをスナック菓子の購入に使う場合、スナックの消費量は予算500円÷価格10円=50個となり、チョコの消費量はゼロです。
また、チョコレートを20個消費するとき、チョコレートへの支出額は価格20円×消費量20個=400円となります。残りの100円をスナック菓子の購入に使うと100円÷価格10円=10個のスナック菓子の購入が可能となります。このため、このときのあなたのチョコレートの消費量は20個、スナック菓子の消費量=10個となります。
後も同様に考えます。
表1で示された予算を使い切った時に購入が可能な消費量の組み合わせを示したものが図1です。
表1で示した消費の組み合わせを示したものが図1の青い点です。このような予算をすべて使った消費の組み合わせをつなぎ合わせたものが図1の赤線で示される直線となります。これを予算制約線といいます。
このように、予算制約線とは、予算をすべて使い切った時に消費者が購入可能な消費量の組み合わせを示しています。
図1の水色で塗りつぶされた予算制約線の内側の領域のことを購買可能領域といいます。
購買可能領域というのは、予算の範囲内で購入可能な消費の組み合わせの範囲を示したものです。
このように、予算制約線と購買可能領域は消費者が限られた予算の範囲内で購買可能な消費の組み合わせを示したものであり、この範囲の中で消費者は自分の満足度すなわち効用を最大にする消費の組み合わせを選択しようとするわけです。
もう少し一般化して考えましょう。
消費者の予算をM円、チョコの価格をpx円、スナックの価格をpy円とします。
消費者が予算をすべてチョコとスナックの購入に使い切るとき、次の式が成立します。
M=pxX+pyY (ただし、Xはチョコの消費量、Yはスナックの消費量)
この式の左辺は予算を、右辺は消費総額(=チョコへの支出+スナックへの支出)を示しています。つまり、この式は予算と消費総額が等しい、すなわち予算のすべてを消費に使い切っていることを示しています。
この式をスナックの消費量Yについて解いたものは次の式になります。
これをグラフにしたものが予算制約線であり、これは下図のような傾きがマイナスpx/pyの直線となります。
今日はこの辺で