2012-01-01から1年間の記事一覧

国際収支発展段階説について(2)

こことここからの続きです。国際収支発展段階説では、経済発展に応じて、一国が債務国から債権国になるにつれて国際収支の黒字・赤字項目の構成が変化することを示されている。債務国とは、対外純債務を抱えている国であり、債権国は対外純資産を保有してい…

外資の対日進出が増えている?

日本経済新聞2月9日付1面より 外資、対日工場進出の動き、投資見込み計430億円に――ジェトロ調べ。 外国企業による日本への工場進出の動きが広がっている。東日本大震災からの復興関連需要が見込めるうえ、日本の大手企業の工場閉鎖や縮小で自治体が積極的…

Paul McCartney "My Valentine"

本屋で音楽雑誌を見たらPaul McCartneyの姿がちらほら見えたので、どうしたのかと思ったら、最近New Albumを出したようだ。キス・オン・ザ・ボトムアーティスト: ポール・マッカートニー出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック発売日: 2012/02/08メディ…

国際収支について

国際収支発展段階説について説明する前に、国際収支について説明しておきたいと思います。国際収支とは、国境を越えた経済取引を記載したもので、経常収支と資本収支から構成されます。経常収支とは、国境を越えたモノ・サービスの取引、および所得移転につ…

国際収支発展段階説について(1)

昨日書いた黒字が消えるでは、去年の日本の貿易収支が赤字化したことを受けて、経常収支黒字を維持することができるのかということが新聞で取り上げられていることを紹介した。このような議論の際によく用いられているのが1月27日付の日本経済新聞の記事でも…

黒字が消える

1月26〜28日付の日本経済新聞1面で、「黒字が消える」という連載記事が掲載されていた。 これは、2011年における日本の貿易収支が赤字化したことを受けて書かれたものだ。 簡単なポイントをまとめると次のようになる。 2011年に貿易収支が赤字化した主因は、…

日本国際経済学会関西支部研究会での報告

1月28日(土)に梅田で開かれた日本国際経済学会関西支部研究会で“Technology Spillover, Absorption Capacity and Strategic R&D Location Decision by Multinational Firms”と題した研究報告を行いました。内容は、去年末に神戸大学で行った研究報告と同じで…

学習院大学教授・鈴木亘のブログ

先日紹介した「社会保障を通じた世代別の受益と負担」の論文を書いた鈴木亘学習院大学教授のブログを紹介しておきます。 学習院大学教授・鈴木亘のブログ(社会保障改革の経済学) 迷走を続ける社会保障改革へ怒りの提言社会保障問題に関心のある方はどうぞ…

グローバル化する就職活動

日本経済新聞1月23日付15面より 国境なき就活 活躍できる職場を求め、海外で就職先を探す若者が目立ってきた。閉塞感のある日本を飛び出して向かうのは、アジアの新興国。高度成長のまっただ中に身を置く高揚感があり、世界市場を肌で感じながら働くことがで…

社会保障における世代間格差

先日書いた"少子高齢化がもたらす政策課題"で、少子高齢化が進むと世代間格差が問題になると書きましたが、そのことに関する論文を見つけたので紹介しておきます。鈴木-増島-白石-森重(2012) 「社会保障を通じた世代別の受益と負担」ESRI(内閣府経済社会総合…

少子高齢化がもたらす政策課題

1月17〜19日の日本経済新聞の経済教室で、『人口動態が迫る政策』と題して、西村清彦日銀副総裁、小峰隆夫法政大教授、加藤久和明治大教授の3人が少子高齢化が進む世界経済における政策課題について書かれていた。彼らの論文に共通している背景は、日本経済…