限界代替率の導出

経済学で全微分を用いる例として、限界代替率の導出があります。

限界代替率は下図が示すように無差別曲線の接線の傾きの絶対値となります。

無差別曲線とは、ある一定の効用水準を与えるX財の消費量とY財の消費量の組み合わせを示しています。
一方、限界代替率とは、下図が示すように、X財の消費が1単位増えるとき、Y財の消費が何単位減少すれば効用水準が元の水準に戻るのかを示すものです。

このため、X財の消費量xの変化分をdx、Y財の消費量yの変化分をdyとすると、dxとdyは効用水準を動かさないように変化する事がわかります。

この家計の効用関数をU=u(x,y)とします。この効用関数を全微分すると次のようになります。

限界代替率を考えるとき、効用水準は一定ですからdU=0であることがわかります。
このため、dU=0を上式に代入すると、効用水準を動かさないようなdxとdyの関係が導出されます。
この式を、次に示すようにdy/dx=の関係に展開する事によって無差別曲線の接線の傾きが導出されます。

限界代替率とは無差別曲線の接線の傾きの絶対値なので、その値は次のようになります。

限界代替率:効用関数U=u(x,y)を持つ家計のX財の消費に関するY財で測った限界代替率は次のようにあらわされる。

今日はこの辺で