極大・極小化問題(2)1階条件と2階条件

関数y=f(x)の極大値もしくは極小値を与えるxを求めるための条件が1階条件と2階条件と呼ばれるものです。

まず、極大値もしくは極小値を与えるxがどういう特徴を持つのかについて下図を用いて考えましょう。

上図の(a)と(b)は、それぞれ極小値のケースと極大値のケースが示されています。

両方に共通している特徴は、極小値もしくは極大値を与えるxでは、グラフの接線の傾きは水平になっていることです。このため、極小値もしくは極大値を与えるxでは、微分係数f'(x)の値はゼロとなります。これが1階条件になります。

極大もしくは極小の1階条件 y=f(x)の極大もしくは極小値を与えるxの値をx*とするとき、x*はf'(x*)=0を満たす。

このように、1階条件とは極大値と極小値についてともに共通のものとなります。このため、1階条件によって極大値もしくは極小値を与えるxの値を求めることはできても、それによって極大値が求められるのかもしくは極小値を求められるのかはわかりません。これを区別するための条件が2階条件になります。

極大・極小値の2階条件 1階条件を満たすx*について、f''(x*)<0となるとき、そのx*は極大値を与えるxの値であり、f''(x*)>0となるとき、そのx*は極小値を与えるxの値となる。

上図(a)は極小値のケースを示していますが、このグラフではx=x*を境に1回微分f'(x)の値がマイナスからプラスに変わることからf''(x)>0となることがわかります。反対に(b)は極大値のケースを示していますが、x=x*を境に1回微分f'(x)の値がプラスからマイナスに変わることからf''(x)<0となることがわかります。

このことから、極大値もしくは極小値を求めるためにはまず1階条件から極大値もしくは極小値を与えるxの値を求め、2階条件を用いてそれが極大値か極小値かを判断することになります。

今日はこの辺で。