産業競争力会議と規制改革会議

安倍内閣が経済政策の第3の矢と位置付けている成長戦略*1の司令塔として、産業競争力会議規制改革会議がある。

産業競争力会議は、産業の競争力強化や国際展開に向けた成長戦略の具現化と推進を目的とした会議であり、規制改革会議は経済成長につながる規制改革項目を議論する会議である。

産業競争力会議はすでに1月23日に第1回の会議が開催されており、それを踏まえて次のような課題が提示された。*2

(1)規制改革
医療・エネルギー・労働等の分野を中心に進める
(2)イノベーション
(3)IT政策の立て直し
(4)経済連携の推進
可能な限り早期のTPP 交渉から参加すべく対応すべき。
(5)エネルギー政策の構築
温暖化対策削減目標の見直し、および原発再稼働が必要
(6)産業の新陳代謝
産業再編を推進し、新しい企業が次々と生み出される環境を整えるべき
(7)若年層・女性の活躍推進
中高年優遇から若年雇用の確保への変革、および解雇規制の緩和等による人材の流動化が必要
(8)農業政策の推進
農業の「産業化」を推進、大規模化の推進、起業家精神にあふれた農業法人の育成、および農業の輸出の仕組みづくりの支援が必要
(9)資源確保・インフラ輸出戦略の推進
(10)クールジャパンの推進

このように、様々な課題が出されているが、TPP交渉への参加表明は先送りとなり、産業の新陳代謝も実際やられている政策は企業の延命措置とも思える設備の買取り政策*3である。原発再稼働の目途もつかず、規制改革についても、産業競争力会議では規制改革を進めるべきとされていた農業が規制改革会議の設立の際に重点分野としていつの間にか外されているなど、政府の本気度を疑うことが続いているのが実情だ。

今日はこの辺で

*1:第1の矢と第2の矢は金融緩和と財政出動

*2:産業競争力会議の資料はここ、それを踏まえた課題についてはここで公開されている。

*3:ここを参照