微分(10)導関数の符号とグラフの形状(例)
前回、導関数と二次導関数の符号によってグラフの形状を表すことができることについて書きました。
具体的な例を考えていきましょう。
例えば、y=f(x)=x^2+2x+1 (x^2はxの2乗)のグラフの形状は次のようにして考えられます。
まず、f(x)の導関数はf'(x)=2x+2となります。f'(x)はx<-1のときには負にx>-1のときには正となることがわかります。このため、y=f(x)のグラフはx<-1のときには右下がり、x>-1のときには右上がりとなることがわかります。
次に二次導関数はf''(x)=2となり、xの値に関係なく常に正であることがわかります。このことからy=f(x)の微分係数(接線の傾きの値)はxの増加に伴って常に増加することがわかります。
これらのことよりy=f(x)=x^2+2x+1のグラフは次のようになります。
次に、y=f(x)=x^3-3x^2+3x-1 のグラフの形状について考えます。
f(x)の導関数はf'(x)=3x^2-6x+3=3(x-1)^2となるので、x=1のときを除いてf'(x)の値は常に正となります。これより、y=f(x)のグラフはx=1のときを除いて右上がりになることがわかります。
次に二次導関数はf''(x)=6x-6となるので、x<1のときにはf''(x)の値は負、x>1のときには正となります。
これよりy=f(x)のグラフは次のようになります。
また、y=f(x)=x^(1/2)の場合、f'(x)=(1/2)x^(-1/2), f''(x)=(-1/4)x^(-3/2)となるのでx>0のときf'(x)>0,f'(x)<0となるので、グラフは次のような形状となります。
今日はこの辺で