国内における所得と富の格差と貯蓄率・経済成長率との関係

Worthwhile Canadian InitiativeよりEconomic Inequality, Saving and Economic Growthを読みました。

ブログ記事ではOECD諸国を対象に、2000年代の家計の可処分所得と富(資産)の格差(ジニ係数)と貯蓄率と経済成長率の相関関係についての簡単な回帰分析がなされていたが、そこで紹介されていたOECD諸国のジニ係数に関するグラフが興味深かったので記事内で紹介されていた元データを用いてグラフを作ってみた。

ジニ係数が高くなるほど国内格差が大きいということだが、これを見ると、可処分所得と富の格差というのは必ずしも一致しないことがわかる。

例えば、日本は可処分所得ジニ係数OECD諸国中11番目と比較的高い(つまり、格差が大きい)位置にあるが、富に関するジニ係数についてはダントツの最下位(格差が小さい)となっている。

このような可処分所得と富の格差についてグループ分けするとこんな感じになる。

可処分所得も富の格差も共に大きな国>
米国・英国 (金融大国)
イスラエル・トルコ・メキシコ・チリ (中東・中南米)

可処分所得も富の格差も共に小さな国>
スロベニアスロバキアチェコオーストリア (中欧
アイルランド
フィンランドノルウェー (北欧)

可処分所得の格差は大きいが、富の格差は小さな国>
日本・韓国・オーストラリア (アジア太平洋)
スペイン・イタリア (南欧

可処分所得の格差は小さいが、富の格差は大きな国>
フランス
デンマークスウェーデン (北欧)

大雑把な分類だが、北欧を除いては地域ごとに特徴が似通っているような気がします。
なぜそういう違いが出るかはわかりませんが・・・・

ブログ記事では貯蓄率は富のジニ係数と相関関係があり、富のジニ係数が高い(格差が大きい)ほど貯蓄率は大きくなる一方、経済成長率は所得のジニ係数と相関関係があり、所得格差が大きくなるほど経済成長率は高くなることが示されています。

そうなると、日本は成長率が高く貯蓄率が低い分類に入ると思うのですが、本当に?????

今日はこの辺で