中国の資源囲い込みが世界に与える影響
Is China trying to “lock up” natural resources around the world?/VOXより
The rapid emergence of China as a major industrial power poses a complex challenge for the world’s natural resources. This column argues that the Chinese government-backed investments in natural resource supplies are predominately in areas that will help expand, diversify, and improve competition in the global supplier system. But potential geopolitical consequences remain a reason for concern.
(訳)
主要な工業国としての中国の急速な台頭は、世界の天然資源に対して複雑な問題をもたらしている。このコラムでは、政府を後ろ盾にした中国の天然資源施設に対する投資が世界の天然資源供給システムの拡大、多様化、競争条件の改善に役立つ地域に主に行われていることを論じている。しかし、地政学的問題は潜在的な関心事ではある。
近年、中国がアフリカをはじめ、中東、豪州など世界中で石油などの天然資源の権益を買収していることが新聞や雑誌などで話題になっている。このような中国による資源獲得は、他の国にとっては自分たちが買おうとしている資源を奪うものとしてとらえられがちだ。
このような中国の積極的な資源開発は、世界の天然資源の需給にどういう影響を与えるのか、まず需要については中国の莫大なエネルギーや資源に対する需要は資源の需給関係をタイトにすることが指摘される。
しかし、供給側から考えると、中国の資源開発はスーダンやイラン、ミャンマーなど軍事問題やテロの問題でこれまで資源開発が進まなかった地域が多く、結果として、世界全体の資源供給量の増加、資源産出国の多様化、資源供給国の競争促進などをもたらし、世界の資源供給システムの改善に貢献するだろうというのがこのブログ記事の主張だ。
一方、レアメタルに関しては、中国自身が世界の供給の中心であることから、中国の資源確保のためのレアメタルの輸出規制が世界の供給システムに打撃を与える可能性がある。しかし、このような中国の動きはベトナムやカザフスタンなど他のレアメタル産地の開発を促進する効果をもたらす可能性があり、そうなるとレアメタルについても世界の供給システムの改善へとつながる可能性があることもこのブログ記事では述べられている。